こんにちは。
前回の記事に引き続き、今回も高校生向けの「やさしい日本語」講座の報告です。
今回の講座は茨城県青少年赤十字高校生連絡協議会「国際交流の集い」の中で開催されました。茨城県内のいろいろな高校から30名ほどの高校生のみなさんが参加してくれました。
90分という限られた時間で、1つでも「気づき」があってほしいと、できるだけ自分の頭で考えながら受講してもらえるように、わたしも頭を絞って内容を組み立てました。

「やさしい日本語」のコツや練習はもちろん入れたいし、実践することによって「気づく」ことができるので重要です。でも、「やさしい日本語」が日本社会にどうして必要なのか、大切なのかを考えてもらうことも、実はコツや練習以上に重要だと考えています。
受講後のふりかえりアンケートでは、この点に関しての「気づき」があり、少なくとも一部の人たちには伝えたいことが伝わっていたことが分かりました。(*´ω`*)
(必要な理由はこちら:「やさしい日本語コミュニケーション」はなぜ必要?)
「やさしい日本語」の練習では、単語、文、文章とステップを踏んでグループワークで練習をしました。グループのメンバーとわいわい相談しながら、みなさん一所懸命に考えてくれました。今回は、赤十字の活動をしている高校生ということで、練習問題は学校生活や保健衛生関連のものを取り上げました。文章問題では、実際に水戸市のホームページに掲載されている、発熱に関する注意事項を「やさしい日本語」で書き直してもらいました。

ポイントは、ひとつひとつの言葉を「やさしい日本語」に言い換えるのではなく、その文や文章が伝えたいことは何なのか、その文章を見た人にどんな行動をとってもらいたいのかを考えて、その内容を「やさしい日本語」にすることです(前回の記事でも書きましたが、大事なので再び)。ワーク中、「あなたがこの注意事項を見たら、まず最初に何をしますか」というわたしの問いかけに、「ああ、そういうふうに考えればいいのか!」と合点がいった様子の高校生もいました。

あっという間(わたしだけかも?)の90分でしたので、伝えきれないこともたくさんありました。でも、みなさんに何かしら「気づき」を得て帰ってもらえたのではないかと思います。

前回も書きましたが、これからの社会をつくっていく若い人たちに「やさしい日本語」を知ってもらうことは、とても大切だし、また、受講しているみなさんの姿に希望を感じることができました。彼らから、またその先に「やさしい日本語」が広がっていきますように。
(山)
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